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20話

一瞬にして無名のモブから南嶺高校一年生のトップに上り詰め、一日で麦子を二回も殴り飛ばし、三十人近くの子分まで手に入れた。

こんなこと、以前は想像すらできなかったのに、まさか日頃の妄想が現実になるなんて。

これは俺と楊天にとっては良いことかもしれないが、他人の目にはそうは映らないだろう。

麦子の気持ちはさておき、南嶺の他のボスたちが俺たちを「良い奴ら」として見るわけがない。

突然現れた一団が一日で高校一年生の勢力図を塗り替えたのだから、彼らにとっては脅威でしかないはずだ。

ただ、俺はボスになったばかりで大人しくしていたから、この導火線に火がつくことはなかった。

一日中、ボスとしての特...