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543話

直接銀行カードを取り出して差し出した。「中には二十万入っている。暗証番号は六が六つだ」

麻杆は目を輝かせ、銀行カードを受け取るとポケットにしまい、電話を取り出して即座にかけた。

「もしもし、兄貴」

電話からは冷たい声が聞こえてきた。「麻杆、頼んだ件はどうなってる?」

「兄貴、一昨日の夜にフィットネスセンター一軒潰して、昨日の夜にもう一軒やりました」麻杆は急いで答えた。

「よくやった。そのまま続けろ。後で金は渡す。じゃあな、他に用があるから切るぞ」

相手はそう言うと、電話を切ろうとした。

「待ってください、兄貴」麻杆は慌てて叫んだ。「このままじゃ一軒ずつ潰していくと、相手に気づかれますよ。そうな...