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346話

「じゃあ、行くのは……」

馮嘯天はさらに何カ所か行き先を提案したが、林笑兮にすべて即座に却下された。

最後に馮嘯天は仕方なく言った。「じゃあ、向かいの公園で少し座るっていうのはどう?」

「どうでもいいわ」林笑兮はまた顔を窓の外に向けた。

馮嘯天は心の中で悲鳴を上げた。これのどこが「どうでもいい」なんだ?

父親が彼のために買ったばかりのリンカーンで、林笑兮をドライブに連れ出して、ついでに自慢しようと思っていたのに。これじゃあ、通りの向こう側にある公園まで車で行くなんて、自分がバカみたいじゃないか。

「笑兮、じゃあ歩いて行こうか」馮嘯天は林笑兮を見つめ、微笑みながら言った。

林笑兮は一言も発せず、...