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1522話

「そうだよ、兄弟は五人全員がバーの外で待機してる。お前らが出てきたら電話一本くれれば、すぐに素晴らしいショーを用意してやるよ。ただ、仕事が終わったら俺の兄弟たちは……ああ、陶社長は話が早くて助かる。これまで長い付き合いだったが無駄じゃなかったな。わかった、じゃあ切るわ」

坊主頭の男は電話を切ると、すぐに車に乗り込まずに煙草を吸い続けた。

私の胸に衝撃が走った。坊主頭の男が電話していた「陶社長」とは一体誰なのか?

こんな偶然があるだろうか。江海市で見かけた人物が海金市にやって来て、たまたま「陶」という苗字の社長に電話をかけるなんて?

そんな可能性は極めて低い。最も考えられるのは、坊主頭の...