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1459話

「どうしたの?」

「兄が今、記憶喪失になっていて、それに……知能が四、五歳の子供程度になってしまったんだ」私は深く息を吸い込んで答えた。

「え、どうしてそんなことに?」義姉は一気に興奮して、慌てて尋ねてきた。

「私にもわからない。今、兄を家に連れて帰るところなんだ。この二、三日のうちに病院に連れていくつもりだよ」と私は言った。

「待っていて、すぐに切符を買うから。明日には江海市に着くわ」

義姉が電話を切ると、私はチョコレートを食べている兄を見て、心の中が乱れた。

さっきの電話で、義姉は兄の帰還を知らされても喜びを表さなかった。彼女の気持ちは間違いなく私と同じだったが、兄の状態を聞くと、緊張して...