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1322話

「じゃあ、もう怒ってないんだね?」私は急に嬉しそうな表情を浮かべて、彼女を見つめた。

「あなたがこの数日間、あちこち私を探し回って、人まで頼んでくれたこと、隣に隠れていても感じ取れたわ。そこまでしてくれて、ありがとう。私、あなたに怒ってなんかいないの。ただ自分自身に疑問を抱いて、静かに一人でじっくり考えたかっただけ」

「それで、考えた結果はどうなの?」私は義姉の言わんとすることを理解していた。彼女が自分に抱いた疑問とは、これからも耐え続けられるのかということ。考えていたのは、兄を探し続けるか、それとも諦めるかという選択だったのだろう。

実際、私は心の中で義姉を少しも責める気持ちはなかった...