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1192話

義姉はもう我慢できないようで、すぐに手を離し、小声で言った。「はい、もう塗り終わったわ。ゆっくり休んでね、私はもう寝るわ」

そう言うと、義姉は顔を赤らめて部屋を出て行った。

彼女が去った後も、部屋には義姉の香りが漂っていた。

私は彼女が薬酒を塗った綿棒を手に取り、鼻に近づけて匂いを嗅いだ。義姉の微かな香りが混じり、うっとりするような香りだった。

今、義姉に対して邪な気持ちが全くないと言えば、それは嘘になるだろう。

だが間違いなく、義姉は私の心の中で最も尊敬する女性だった。

兄が行方不明になってから今まで、彼女はまる三年間耐え続け、一度も諦めたり、去ろうとしたり、寂しい時に空虚を埋め...