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757話

「これから、そんなに突っ走らないでよ!」

事件が終わった後、方如はそう一言残して警察車両に乗り込んで去っていった。李勝はすっかり言葉を失ってしまった。彼は心の中で、相手と一度とことん勝負したいと思っていたのだが、この方如という妖精は仕事熱心すぎるのだ。時々、李勝は錯覚を覚えることさえあった。このままだと方如は男になってしまうんじゃないかと。

しかし、まさに「東の部屋が暗ければ西の部屋が明るい」というように、方如が彼に構う時間がない一方で、黒後家蜘蛛から一本の電話がかかってきて、李勝に急いで彼女の寝室に来るよう呼び出した。

「了解!」

李勝はにやりと笑うと、マセラティを走らせて黒後家蜘蛛の住...