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615話

このジープは、今となっては完全なアンティークだ。市場ではもう見かけることすらない代物だ。

言い換えれば、このジープを売れば間違いなくマセラティ一台と交換できるほどの価値があるのだが、李勝はそのつもりはなかった。この車は昔の恋人から贈られたもので、記念の意味がある。彼のテクニックがあまりにも素晴らしく、相手を満足させた結果、このジープを手に入れたのだ。

「李おじさん、この車いいじゃないですか!」

この車は古い型ではあるが、内装は決して劣っていない。当時これは人気車種で、欲しくても手に入らない人がどれだけいたことか。

「まあね、昔はお前の李おじさんも金持ちだったんだよ。過去の話はもういいか...