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6話

工事現場に着くと、遠くからでも晴は男たちの群れの中に兄の姿を見つけることができた。

歳月は彼に老いの痕跡をあまり残していなかった。若い頃の兄はきっと端正な青年だったのだろう。長年の労働が彼の体を逞しくし、腕の筋肉に力強さを宿らせていた。それを見た晴は、胸の高鳴りを抑えられなくなった。

彼女は近づいて「お兄さん、ご飯持ってきたわ。早く食べましょう」と声をかけた。

李勝は手の作業をぱたりと止め、顔を上げて晴を見た。タオルで顔を一拭きしてから言った。

「晴、ちょっと待っててくれ。先に顔を洗ってくるから」

「はい!」晴はすぐに返事をして、脇に移動した。そこには、休憩用のむしろがすでに用意されて...