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592話

一方、李康は胡家の者たちが宋潔を連れ戻すのを悠々と待っていた。しかし、やってきたのはあの老婆と弟だけで、日夜思い焦がれていた姿はどこにも見えない。彼の目から危険な気配が漂い出た。

「宋潔はどうした?」

来る道中で、胡の母親はすでに言い訳を考えていた。だが今、李康の威圧感の前では、怖くて何もかも忘れてしまった。もごもごと半分以上時間がたってから、ようやく勇気を振り絞った。

「いなくなってしまったんです」

「いなくなった?つまり、お前たちが渡したくないということか?」

李康は気勢を荒げた。もともと体格が良く強健な男が、このようにまっすぐ胡家の母子の前に立ちはだかれば、大きなプレッシャーになるの...