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561話

「あいつは頭のイカれた狂人よ。法律なんて通じやしない。李康はもともと宋潔の妹の宋梅の恋人だったの。でも器用に両方の椀をつつきながら、宋梅と付き合いつつ、あの手この手で宋潔に纏わりついていたわ。あらゆる手段を使い果たして、もう策がなくなったのか、こんな鳥も糞をしない辺鄙な場所に連れ去ったのよ。こうすれば誰にも邪魔されないと思ったんでしょうね」

陳靖は背筋が凍るような恐怖を覚えた。二人の会話はからくも老婆に聞かれてしまった。今日の一件で、彼女はこの小さな町にもう居られないと悟り、ある計画を思いついた。数日後はちょうど週末で、家に帰る絶好の機会だった。

老婆は咳払いをして、ベッドの端に腰掛け、申...