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531話

「言葉に詰まった宋潔は、しばらく間を置いてから、媚びるような笑みを浮かべてアサンの逞しい胸に倒れ込み、色っぽく言った。

「いいわよ、ちょうど私も寂しかったの。あなたについていけば、李康から逃れられるわ」

「い、いやいや、そんな艶福に俺は耐えられないよ」アサンは急いで宋潔を押しのけ、続けた。「冗談はやめて、早く戻りなよ。彼に疑われるぞ。もう一つ忠告しておくけど、胡文には近づくな。あいつは表面上見えるほど単純じゃない」

アサンは何度か、胡文が姉の豊かな胸に熱い視線を送っているのを偶然目にしていた。それに、ある晩、姉の家に泊まった時、彼が裏庭で姉の入浴を覗いているのを発見したこともあった。そんな卑...