美味しい人妻

422話

宋洁のわずかな変化が李陽の目に留まった。彼は思わず宋梅をもう一度見やったが、特に気になる様子は見受けられなかった。むしろ安堵の息を漏らした。彼女のこの様子を見れば、完全に諦めたということだろう。

李陽は声を潜めて言った。「小潔、俺は李康がいい奴だと思うよ」

宋洁は微笑んだまま黙っていた。さっきまで彼の成熟さと落ち着きを心の中で褒めていたのに、この人の機微を察する能力はやはり相変わらず低いままだなと思った。彼に対するわずかな好感も一瞬にして消え去った。

李勝はまるで鋭敏な猟師のように、その場にいる全員の表情を見逃さずに捉えていた。彼は口元に穏やかな笑みを浮かべながら言った。「阿陽、こっちに...