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371話

「ふふ、この老いた狐の尾っぽがようやく見えてきたわね」宋潔はとても落ち着いた様子で言った。「この家以外に、特に未練はないわ。ただこの家をどうするか迷っているだけ。結局、これには私の多くの心血が注がれているものだから」

「そうよ、小梅のような薄情者に安く譲るわけにはいかないわ」

「でも考えてみれば、最近いろいろあったし、どこかへ行って気分転換したいとも思うの」

「気分転換したいなら旅行に行けばいい。二、三日したら私の腰も良くなるから、一緒に行ってあげるよ。あるいは阿陽に付き添ってもらってもいい。わざわざあそこに行く必要はないだろう」

宋潔は口元に意味深な笑みを浮かべながら、ゆっくりと李勝...