




3話
許晴は、この夜をどのように過ごしたのかわからなかった。心は乱れ、夫の顔を思い、そして義兄のことを考えると、頬が熱くなり、恥ずかしさで真っ赤になるのを感じた。
李勝はこの食事をずいぶん長く取っていた。許晴はあの部屋にはもう入る勇気がなく、急いで食器を片付けると、自分の部屋へ戻った。
しばらくして、やっと台所から義兄が食器を片付ける音が聞こえてきた。
許晴は布団に顔を埋め、その音を聞きながらも、外に出る勇気はなかった。
李勝も彼女を呼ぶことはなかった。
ただ、間もなく、義兄は許晴の部屋のドアをノックした。
「お兄さん、どうしたの?」許晴は尋ねた。
「許晴、お風呂の湯を沸かしておいたから、入ってから寝るといい」
「わかった!」許晴は素早く答えた。
そこで彼女は思い出した。自分はまだ風呂に入っていないことを。この真夏に、さっきまで布団に潜り込んで汗をかいていたのだから、確かに体を洗うべきだった。
パジャマを選ぶとき、許晴はちらりと見た。普段着ている服はすぐそばにあったのに、なぜか彼女は白い色の妖艶なキャミソールのパジャマを選んでいた。
許晴はとても体型が良く、このキャミソールのデザインは非常に興味深いものだった。単独で着ると、その素晴らしいスタイルが一目瞭然となり、細い腰や胸元の豊かな曲線がすべて露わになる。しかし、上着を一枚羽織れば、ずっと控えめになる。許晴の体型の良さから誘惑的なラインが見えてしまうとはいえ、この服は本来、夫に見せて情趣を高めるために用意していたものだった。
今日、思わず彼女はこの服を選んで部屋を出た。下に着けたものも薄手のレース地で、後ろから見ると、魅惑的な曲線がうっすらと透けて見えるようなものだった。
許晴は急いでこの二枚の服をかごに入れ、持って裏手へ向かった。
団地に住んでいるのは最初の移住者たちで、そう贅沢な暮らしではなく、お風呂は温水を沸かし、水を節約するために時には外で簡単に体を拭くだけということもあった。しかし、人目を避けるために、裏のボイラー室の側にカーテンで囲った場所が設けられていた。
中には小さな灯りがあるが、普段は電気代を節約するために誰も点けない。また、もし点けると影がカーテンに映り、それもまた気まずいものだった。
しかし今日、許晴はそれを点けた。
温かい水が彼女の体にかかると、許晴はわざとゆっくりと動作を緩め、上から下まで丁寧に自分の体を拭いていった。
特に重要な部分を洗うときには、わざと長く留まり、小さな吐息が思わず漏れ出た。
許晴には、義兄が自分を覗いているかどうかわからなかった。
しかし普段、義兄は決して彼女のためにお湯を沸かしたりしない。彼女はどうしても、今この瞬間、義兄がドアの外で、カーテンに映る彼女の魅惑的なシルエットを見ているような気がした。
彼は自分と同じことをしているのだろうか?
そう考えていると、許晴は周りから気づきにくいほどの小さなうめき声が聞こえてきた。
李勝の声だ!
許晴はさらに興奮した。
彼女はわざとタオルを自分の誇らしい曲線の上で回し、まるで誘惑するかのように、誰かに直接体を拭いてほしいと願うように。
彼女は耳を澄まし、周りから聞こえてくる義兄の次第に荒くなる息遣いを聞いた。
許晴の呼吸も思わず早くなった。
彼女はとてもゆっくりと、ゆっくりと体を洗った。
義兄の息遣いは、この漆黒の静かな夜に、彼女が水を掻き分ける音と共に響き、特に魅惑的に感じられた。
許晴が出てきたとき、彼女はあのパジャマに着替えていた。
真っ白なシルクの生地が彼女の滑らかな肌に密着し、許晴はわざと体を完全に拭ききっていなかった。拭ききれなかった水滴のせいで、シルクの生地はさらに透け透けになっていた。