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120話

周囲の人々を見渡した。大勢いるものの、水中がどんな世界なのか誰も見えないようだった。

李勝の呼吸が荒くなり、両手を下に伸ばして許晴の白く柔らかな丸みを強く掴んだ。力を込めると、その形が歪むほどだった。

許晴は体を震わせ、振り返ると兄の目に宿る炎を見た。水面下の逞しい手の力強さを感じ、兄が何をしようとしているのか突然理解した。

まさか兄は、大勢の目がある中で自分を犯そうというの?なんてこと!

許晴は様々な感情が胸に押し寄せてきた。この姿勢で、海の中にいては、逃げ場もない。両脚はしっかりと絡みついたまま。李勝が本当に自分を求めるなら、受け入れるしかなかった。

李勝は荒い息を吐きながら、許...