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10話

「どうだ許晴、はやく、動かしてくれよ!」李勝が許晴を急かした。

「あ…うん…」許晴の声は少し息が荒く、この状況では、より一層魅惑的に響いていた。

彼女はゆっくりと、手に少し力を込めた。

許晴の手は日頃から労働とは無縁で、手のひらは特に柔らかかった。

つまり、彼女が李勝を握った時、その柔らかな手のひらが幾重にも包み込み、彼の欲望の上を滑り行く。

その感触は、まさに人の心を奪うものだった。

李勝の表情はさらに興奮を増した。

彼は許晴の温かな手のひらの感触を味わっていた。

緊張のせいか、彼女の手のひらには汗がたくさん出ていた。

滑らかで、しっとりとして。

そのぬめりのある感触が、人を狂わせる。

許晴...