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944話

タクシーを拾って、彼はある高級クラブに向かった。このクラブを知っていたのは、店を開いていた時に客の話を耳にしたからだった。そのクラブはとても素晴らしく、中にいる女の子たちは一人残らず極上の逸品で、金持ち相手のサービスをしているという。だから技術も良ければ容姿も良く、基本的にお金さえあれば何でもできるとのことだった。

翠玉のおやじはそれを思い出すだけでワクワクして、上機嫌で中に入ろうとした。しかし入るなり警備員に止められた。

「お客様、こちらの会員カードをお持ちですか?」

警備員は翠玉のおやじの身なりを見て、間違いなく貧乏人だと思った。しかし、金持ちの中には貧乏人のような格好をする人もいる...