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76話

「えっ?」

その言葉に女性は一瞬戸惑った表情を見せた。まさか私がこんな間抜けな話し方をするとは思っていなかったようだ。

「林可嫣(リン・カーイェン)って言います。姉を探しにここに来たんです」林可嫣は恥ずかしそうに言った。

夜だというのに、さっき私が彼女の胸元の景色をはっきり見てしまったことは確かだった。

「あ、ああ……僕は……この村の者で、みんなからは……王の馬鹿(ワン・シャーズ)って呼ばれてるんだ」私はとぼけた笑みを浮かべて言った。

自分をそう呼ぶ私に、林可嫣は思わず笑みを漏らした。「どうしてみんなあなたのことを馬鹿って呼ぶの?」

「だって……だって僕は馬鹿……馬鹿だからさ!」私...