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685話

「口に持っていった酒杯が、会長の意図的な動きで中身をこぼし、一瞬で林雨晴の胸元を濡らしてしまった。

会長は慌てたように数枚のティッシュを取り出すと、林雨晴の胸元に当てて拭き始めた。滑らかな肌触りは格別で、会長は自分の手が天にも昇る心地よさを感じ、この上ない快感に浸っていた。

「あの、会長、ちょっとトイレで処理してきます」そう言って林雨晴は席を立ち、トイレへ向かった。会長は元の席に戻った。

会長は席に座ったまま、ふと思いついたように身体をまさぐり、何かを取り出した。それは数粒の小さな薬だった。彼はそれらを林雨晴が飲んでいたグラスに入れ、顔に得意げな笑みを浮かべた。

林雨晴が戻ってくると、会長は言...