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582話

彼女の体から漂う微かな香りが、彼の理性を完全に奪い去り、後先のことなど考えられなくなった。

驚いたことに、蘇倩は抵抗しなかった。それに気をよくした彼は、さらに大胆になって手を上へと移動させ、彼女の細い腰に添えた。本当なら、彼はその上下に揺れる二つの大きな果実のような胸に両手を置き、揉みしだきたかった。きっとその感触は格別だろうと思ったが、さすがにそこまでする勇気はなかった。

蘇倩は、自分を困らせているのが張超だけではないことに気づいた瞬間、思わず叫び声を上げそうになったが、なんとか我慢した。心の中で対策を練りながら。もし今叫んだら、周りの視線が一斉に集まってしまう。そうなれば、きっと彼らは...