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803話

「本来なら即座に承諾できたんだけど、書記と学長が同席していたし、二人が狂喜乱舞する姿を見たかったから、一言聞いてみたんだ。『ジェニーさんが大西洋大学についてどう思うか聞いてきたよ』って」

案の定、書記と学長は話を聞くや否や、一人は必死に頷き、もう一人は親指を立てて、二人揃って私に目配せした。早く承諾しろという意思表示だった。

万全を期すために、私はジェニーに尋ねた。「確かに大西洋大学で間違いないですか?」

「どうしたの?」

「あの大学は我が国ではかなり名が通っていますが、私たちの市立学院と学生交流をすることに同意してくれるでしょうか?」

「安心して。私は大西洋大学の理事よ。交流どころ...