愛を借りて

215話

男女の間のこういったこと、時には雰囲気を楽しむものだ。

実際のところ、どんなことをしても普通にベッドで交わることには敵わない。

ただ今の私と劉璇思は、どちらも非常に興奮した状態だったから、立ったままでも一種の狂気だった。

同じ劉璇思、同じ体なのに、彼女の立場が変わったことで、私の感覚はまるで違うものになった。ちょうど来る時に徐孝海の車に乗っていた時のように。

もしスーパーカーに座ることで、初めて自分が富に近づいたと感じたのなら、今劉璇思を抱きしめることで、突然至高の権力に手が届いたような気分になっていた。

沈佩雅も高官だということはよく分かっている。だが彼女は省都にいて、副市長ほど私の身近には...