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197話

私は痩せた男に笑いかけた。「兄貴、光頭兄貴が義理堅いのは知ってるけど、兄貴たちが無駄足を運んでくれたのをこのままにはできない。これは弟分からのほんの気持ちだ」

「弟分だなんて言うなよ。お前のあの腕前は、俺たちみんなが目の当たりにしたんだ。言っちゃなんだが、俺は今まで誰にも親指立てたことなんてねえよ。でもお前には必ず立てるぜ!」

そう言うと、彼は私に向かって親指を立てた。

「そういうことなら、俺の言うことを聞いてくれ。お前たちのことは言わないけど、俺は兄貴たちの仲間に光頭兄貴とお前を見くびらせたくない。知らない奴らは、お前たちがどんな弟分を持ったのか、百万も懐に入れたのに、まともな酒一本も...