愛を借りて

110話

「明らかに、私が徐孝海を助ければ、それは義のためだ。孫暁麗を助けるなら、完全に利のためになる。

過去の私なら、当然、利を捨てて義を取っただろう。

だが今は少し迷っている。

みんなが利を優先する中で、義のために徐孝海を助けるのは、少し馬鹿げているんじゃないか？

でも今、彼の二万元のキャッシュカードをポケットに入れているし、人として度を越してもいられないだろう？

待てよ、徐孝海がお金をくれた時、ただ傷跡顔を追い出すのを手伝ってほしいと言っただけで、直接孫暁麗と敵対しろとは言っていなかったんじゃないか？

おそらく徐孝海は傷跡顔を警戒していて、彼さえいなくなれば孫暁麗を恐れる必要はないと思っているのだ...