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978話

「犯人の車はもう十数分も逃げてるわ。十数分もあれば相当遠くまで逃げられるのよ。私がスピードを出さなければ、どうやって追いつけるっていうの?」血罌粟が言った。

「もういいから、喋らないで運転に集中して。私たちはちゃんと見て勉強するから」林詩詩は血罌粟との会話が彼女の気を散らすことを恐れていた。こんな高速では、少しでも油断すれば車も人も台無しになってしまう。

二十分ほど経って、ようやく前方にビュイックが見えてきた。しかもナンバープレートは間違いなく、あの当て逃げ車のものだった!

「みんな、ちゃんと座ってて!前の犯人の車を強制停車させるわよ!」血罌粟はそう言うと、さらにアクセルを踏み込み、追い...