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825話

人は窮地に陥った時、誰かの助けを得ると、最も感動しやすいものだ。楊秀瑩のほんの些細な行動が、林小涛の胸を熱くさせた。彼は決意した。山を降りたら、楊秀瑩に今までよりもっと優しくしなければならない。いつも彼女に対して素っ気なくしていたのは、もうやめよう。

時間が経てば自然と情が生まれるもの、感情とはこういった日々の積み重ねの中で育まれていくものなのだ。

林小涛が心の中で感慨に耽っている時、楊秀瑩は突然、背後の草むらがかすかに揺れる音を聞いた。蛇かと思い、彼女は急いで振り返った。

そして彼女は恐ろしい光景を目にした。地面に倒れ、体に矢が刺さった殺し屋が、林小涛の背中に向かって銃を構えていたのだ...