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688話

「傾城酒場」と同じように、この場所の立地条件や敷地面積はほぼ申し分なく、内装も極めて豪華だった。外から見る限り、「傾城酒場」に引けを取らないほどだ。

高々と掲げられた金箔が施された四文字の看板を見上げ、林小涛は酒場の前でしばし立ち止まった後、入口へと足を踏み出した。

数歩も進まないうちに、誰かに行く手を阻まれた。

「おい、何の用だ?酒を飲みに来たなら今日は営業してねえよ。他を当たってくれ」チンピラ風の若者二人が正面から歩み寄ってきた。

声は少し大きかったものの、いきなり暴言を吐いたり手を出したりはしなかった。結局ここも客の入りで稼ぐ場所なのだから、自ら商売の道を断つほど彼らはバカではな...