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606話

そう考えながら、彼はまた近くに何か民家がないか探し回り、この工場について何か情報を得られないかと思った。

苦労は報われるもので、ついにその工場から三キロほど離れた民家で、親切なおじさんがこの工場の歴史を教えてくれた。

その工場はかつておもちゃ工場だったが、後に大爆発が起き、百人以上が亡くなって倒産したのだという。その後、都市再開発によって皆が新市街地へ引っ越し、この場所は誰も顧みなくなったのだ。

しかし、その親切なおじさんの話の中で、林小涛は妙な点に気づいた。

おじさんの話によると、あの工場では夜中によく幽霊が出るらしく、かつての工員たちの整然とした掛け声が時々聞こえてくるのだという。...