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53話

「このバカは頭がおかしい。何をするか分からないわ。もし驚かせて手を放させたら、全てが終わってしまう。小さなことで大きなものを失うわけにはいかない。見られたところで肉が落ちるわけじゃないし、どうせ何も分かっていないんだから、見られても仕方ないわ」

命を守るため、韓冰は屈辱に耐える決断をした。以前、林小涛に手を放すよう言ったのは彼に迷惑をかけたくなかったからだ。今は林小涛に自分を引き上げる力があると分かった以上、もう手を放させるわけにはいかない。

「じゃあ、一緒に力を入れるよ。頑張ろう!」林小涛はそう言うと、再び韓冰を引き上げ始めた。

林小涛の手は韓冰の脚から腰へと移り、少しずつ彼女を引き上...