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256話

林小涛は自分の腕前が韩冰に劣らないと自負していた。季子強に近づきさえすれば、何か不測の事態が起きても自分の身の安全を確保しつつ、最大限人質を守ることができるはずだ。

「そうそう、ここにいる中で一番イケメンなのはお前だよな」

季子強は吐き気を堪えながらにこにこと言った。林小涛に手錠を外してもらうためなら、自分の審美眼を売り渡すつもりだ。

いや、お前は確かに見た目は悪くないかもしれないが、頭のおかしいバカで、よだれまで垂らしてるんじゃ、俺のハゲ兄貴の方がよっぽどカッコいいわ。お前がイケメン?笑わせるな!

「さっきはそんなに怖かったから、そんな簡単に死にに行くほどバカじゃないよ」

林小涛は...