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76話

済州島には射撃場が二つあり、一つは軍用で軍隊と警察のみに開放されている。もう一つは民間用で、一般人も利用できる半開放式の施設だが、多くの制限がある。

軍用射撃場はさておき、民間射撃場でさえ入場は容易ではない。費用が高いだけでなく、事前予約も必要だからだ。

予約過程では、射撃場の管理者があなたの社会的背景や政治的関係を調査し、犯罪歴まで調べる。すべての条件を満たせば、晴れて入場が許可される。

入場資格があったとしても、一般人には手が届かない価格設定だ。銃の使用料だけでなく、弾丸の値段だけでも目を疑うほど高額である。

秦越がこの民間射撃場に車で到着したときは、すでに正午近くだった。この日は...