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719話

秦越は尊圣山の山道をゆっくりと車で進みながら、周囲の山の景色を眺めつつ、武林大会の会場を探していた。

実際、わざわざ探す必要もなかった。秦越はこの山中に漂う微かな殺気のようなものを感じ取っていたからだ。

尊圣山は済州地方で最大かつ最も有名な聖地と言われている。

だが今、道には観光客の姿がほとんど見えなかった。これだけでもここが特別な時期に入っていることを物語っていた。

満四斤が漏らした情報によれば、いわゆる武林大会は公的機関が主催するものではなく、江湖の門派が昔からの慣例に従って自主的に開催するものだという。だからこそ満四斤が言っていたような、実力で争い江湖での地位を争うという事態になる...