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715話

秦越は鶴氅の華服を身にまとい、大通りに現れた。その後には大口の徐彪と黒頭の段崖が続いていた。

三人が大通りに立つと、その奇抜な組み合わせに通行人たちから驚きの声が上がった。

秦越は笑みを浮かべながら、皆に向かって拱手した。「ご近所の皆様、私、秦越は義道門を代表して武林大会に出陣します。出発の際にこうして見送りに来てくださり、誠にありがとうございます」

秦越が高々と掲げた手は、賑やかな太鼓のリズムに合わせて何度も振られ、朝日に照らされてとても華やかに見えた。華麗な衣装と相まって、今の秦越はまさに出陣する才気あふれる少年のようだった。

「義道門はこの埠頭では一方の平和を守る存在だからな。今...