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692話

兎を捕まえられないから犬を代わりに連れてくる、徐彪は今の自分がまさにその犬だと感じていた。

兄貴が医館を開くのに、患者が来ないのは、どうして自分のせいになるんだ?これは濡れ衣を着せられているんじゃないか?

「兄貴、そんな言い方するなら、俺はここに立ち続けるしかないな」

徐彪が首を突っ張ると、頭上の鳥の巣にいた雛鳥たちが驚いて、バタバタと羽音を立てながらピーピーと騒ぎ出した。

秦越は先ほどの自分の一言で、徐彪が意固地になっていることを理解していた。

こいつはそういう性格なのだ。優しく言えば聞き入れるが、一度言葉で角が立てば、白黒はっきりさせずにはいられない...