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67話

「二人の法医が警察に連れていかれた後、袁厉は前に出て敬意を表した。「秦先生の医術は本当に素晴らしいですね。今回は秦先生のおかげで百草堂が救われましたよ」

厳冬は袁厉のゴマすりに強い嫌悪感を抱き、傍らで呟いた。「まったく、お世辞ばかりの男だ」

袁厉は職場で数十年も渡り歩いてきた老狐で、厳冬の皮肉にまったく動じなかった。

この従業員が目覚めることは自分に不利だと分かっていても、袁厉はこの時、慌てた様子を見せず、程雪瑶の方を向いて提案した。「程社長、今回は秦先生の功績が大きいです。我が社はぜひとも彼を褒賞すべきでしょう」

程雪瑶は頷いた。確かに今回、秦越は大いに助けてくれた。袁厉が言わなくて...