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667話

秦越の返答に冬厳は驚きを隠せなかった。

この兄貴、頭がおかしくなったんじゃないか?何も得るものがないのに、人のために命を懸けるなんて、常識に合わないじゃないか?

「兄貴、そんな考えなら、俺と一緒に帰った方がいいよ」冬厳は真剣な表情で秦越を見つめながら言った。「向こうはあんたをグループから完全に切り離したんだ。ここで何が起きても、もうあんたには関係ない。余計な心配して、よその泥沼に足を突っ込む必要なんてないだろ?」

冬厳の言葉から、彼が逃げ出そうとしていることが伝わってきた。秦越は慌てて再び彼の肩を叩きながら言った。「なぜこうするのか聞くなよ。話しても分からないさ。兄貴...