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594話

丘髭は秦越のそんな言葉を耳にした瞬間、両足から力が抜け、思わず宗堂の柱に頭を打ちつけて即死し、冥界で歴代門主に謝罪したいと思った。

何代も受け継がれてきた門派の重要な信物が、自分の手に渡る前に損傷するなど、丘髭にとって生きる意味を失うほどの絶望だった。

「兄貴、本当に印璽が壊れたのか?」丘髭は震える声で問いかけ、よろめきながら台の上に上がった。

秦越はまだしゃがんだままで、振り向きもせず、ただ舌打ちして言った。「丘兄弟、やはりお前が印璽を拾い上げてくれ。印璽を床に落とすなど、義道門への不敬というものだ」

丘髭はまだ印璽の姿を目にしていなかったが、心の中で冷たいものが走った。

やはり兄貴...