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590話

丘の髭が小走りで便所に駆け込む姿を見て、徐彪は大声で笑い出した。その得意げな様子は、悪戯が成功したことを祝っているようだった。

中庭の人々も一斉に笑いに包まれた。

段天と段崖は丘の髭が走り去る背中を見て、思わず笑みを浮かべた。義道門の首席武師でさえ、こんなにも情けない時があるとは思いもよらなかったのだろう。

秦越は皆に手を振り、「徐彪、ふざけるのはやめろ。さっさと印璽を探し出せ。この蛇肉の処分は好きにしろ」と言った。

徐彪は大口を閉じ、「はい」と一言応じると、鋭い刀で蛇の腹をさらに下へと切り開いた。蛇の腹が開くと、ばさりと赤木の箱が地面に落ちた。

赤木の箱の表面はびっしょりと濡れ、粘液のような...