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587話

秦越は門主印の玉璽が土間の炕の中にあるとは確信できなかったが、まずは何か動きを見せることで、門の弟子たちに玉璽探しに真剣に取り組んでいることを示したかった。

部屋の中で、段天は炕に敷かれていた板を一枚一枚外し、庭に投げ出していた。

「兄貴、床板は全部外したぞ。次はどうする?」

段天は灰だらけの顔で外に出てきた。部屋の中はまだ埃が舞っている。

秦越は段天を見て、それから部屋の中を一瞥した。段天は頭も体も灰で覆われ、一見すると一世紀も経ったかのように急に老けて見えた。

「中の埃が少し落ち着くまで待とう。宝印はもうすぐ皆さんの前に姿を現すはずだ」秦越は腕を組み、冷静を装った。

もしこの炕...