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578話

義道門の宗堂に入ると、丘胡子はまずこっそりと辺りを見回した。尤可児がどこに隠れているのか分からないが、秦越に見つかってはならない。

秦越の背後でこんなことをしていて、祭祀の儀式が始まる前にばれでもしたら、面倒なことになる。

秦越はこのような場所に初めて足を踏み入れたため、中に人が隠れていることなど知る由もなかった。ただ好奇心に駆られて、あちこち見回していた。

宗堂内は少し薄暗く、庭のような明るさではなかったため、秦越は一時的に目が慣れず、思わず目を細めた。

秦越があちこち見回しているのを見て、丘胡子は胸が締め付けられる思いがした。急いで咳払いをして言った。「兄貴、宗堂に入ったからには、...