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402話

秦越は確かに逃げ出してきたのだ。荘錦に山の途中で放り出されてから、彼はずっと偵察兵たちの隠れた監視下に置かれていた。

あの時、荘錦は明確に言った。すぐに山を出るように向かえと。もし振り返ったり、軍営の方向へ一歩でも戻ろうものなら、即座に射殺すると。

秦越は、あの兵士たちが荘錦の言葉を絶対的な命令として従うことを確信していたので、一度も立ち止まらず、山の乱れた石の道をひたすら歩き続け、一晩かけてようやく山を出た。

これが逃げ出したと言わずして、何が逃げると言えるのだろうか?

しかし、秦越が臆することなく自分は逃げ出してきたと言うと、その言葉を聞いた男の顔色がすぐに変わった。

「兄貴、そ...