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398話

しかし今この瞬間、秦越が何を考えているかは重要ではない。重要なのはそれを口に出さないことだ。この男に頼って県城まで送ってもらわなければならないのだから。

もちろん、今はもうバイクに乗り込んだのだから、余計な言葉を交わす必要もない。

男はバイクのバックミラーからヘルメットを取り、さっと頭にかぶると、足で力強くキックし、バイクがパラパラと音を立てエンジンがかかった。

数回アクセルを試した後、男は振り返って言った。「兄貴、しっかり掴まってくれよ。さっきバイクが倒れた時に結構ガソリンが漏れちまったから、少し飛ばさないとな」

そう言われ、秦越は先ほどバイクが倒れた場所を見やった。地面には確かに大...