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385話

腕時計は本当に素晴らしかった。金色の外装、金色のバンド。さらに時間を表示する数字までも金色に輝いていた。

秦越は内心で笑った。これは思わぬ臨時収入だった。専門医が彼に蕭将軍に対して良い言葉をかけてもらうためだけに、こんなに大きな出費をするとは思いもよらなかった。

もし専門医が蕭将軍の手術を始める前に、秦越を軽視するような態度を取らず、彼を困らせるような言葉を言わなければ、この腕時計がなくても秦越は彼のために良い言葉をかけていただろう。

しかし今、相手が喜んで腕時計をくれるというのに、受け取らなければ、度量が狭く相手の面子を潰すことになるではないか。

裏面の洋文字を眺めていると、部屋の外...