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380話

入ってきた人は兵営の接待係の勤務兵で、林蓉ではなく、しかも男兵だった。

勤務兵は小さな食事箱を手に持ち、そのまま長テーブルに置くと、振り返って言った。「林顧問からの伝言です。彼女は司令官のところへ行きました。食事を済ませてゆっくり休むように、彼女の許可なくこの中庭から出てはいけないとのことです」

秦越は勤務兵に頷いた。「わかった、行っていいよ」

秦越は無気力に起き上がり、ドアを閉めた。がっかりだ。勤務兵に食事を届けさせるなんて、自分で来たところで、食べられてしまうわけでもないのに。

その一言で、実質的に軟禁状態だ。でも使わないでおくのは、無駄じゃないか?

秦越は独り言をつぶやきながら...