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355話

秦越は足早に歩き、林蓉の歩調に合わせて受付の中庭に入った。

林蓉は彼に先に休憩していた部屋で待つよう言い、秦越は何も聞き返す勇気もなく、おとなしく一番奥の部屋へ向かった。

廊下を通り過ぎ、二つの部屋の扉を過ぎると、三番目の部屋の扉が開いていた。秦越が中を覗くと、ちょうど庄錦とあの専門家が話しているところだった。

くそ、専門家はまだ生きていたのか。無駄に心配してしまった。

秦越は歩みを進めようとしたが、彼が通り過ぎる前に庄錦が彼に気づいた。「秦越、ちょっと来てくれ」

秦越は立ち止まり、体をねじって庄錦の方を見た。「何だよ、話があるなら後にしてくれよ」着替えを待ってるんだ、お前に構ってる...