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345話

朝方が明るく差し込み、兵営の接待所の客室では、雪のように白い壁が光を反射し、秦越を直接目覚めさせた。

自分の呼吸や心臓の鼓動だけが聞こえる静寂の中で長時間過ごすと、どうしても圧迫感を感じるものだ。

秦越はそれに耐えられなくなっていた。都会の喧騒に慣れた人間が、突然このような異様なまでに静かな場所に来ると、落ち着かなくなる。心理的には真空の中に一歩踏み出したような、拠り所のない感覚に襲われる。

彼が部屋を出ると、中庭もまた恐ろしいほど静かだった。不思議に思う。ここが軍の施設だとしても、山林の野外であっても、少なくとも鳥のさえずりの一つや二つは聞こえるはずだろう?

幸い、彼が二、三回咳をす...