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273話

「心に想いを寄せる美女を喜ばせようと、秦越は丹精込めて冬虫夏草のスープを作った。

しかし程雪瑶の前に出すと、彼女は虫は嫌だの草は食べないのと言い出す。結局、スープの具材はすべて秦越の口に収まってしまった。

残った半分ほどのスープさえも、秦越に飲ませようとする。

秦越はようやく気づいた。彼女は遠回しに自分に良いものを与えようとしているのだと。

秦越から見れば、まだ何も始まっていないのに、もう人を気遣うなんて…しかし美女は少し気が立っている。本当にスープを飲むべきなのは彼女なのに。

「お嬢さん、冗談はやめてよ。これは特別にあなたのために作ったんだ。全部私が頂いてどうするんだよ？あなたが飲...