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269話

秦越は扉の外で程雪瑶の返事が聞こえず、心がざわついた。

大したことじゃないはずなのに。誰だって体くらいあるんだし、見られたって見られただけ。ただ俺がイケメンで体格がいいってだけの話だろう。損したわけでもないのに、なぜ部屋に閉じこもって黙ってるんだ?

「瑶瑶姉さん、姉さん、姉ぇ……」秦越は声色を変えながら呼び続けた。

実は程雪瑶は単に部屋で着替えをしていただけで、彼を無視していたわけではなかった。だが秦越は返事がないことで、扉の外でずっと黙らず息つく間もなくぶつぶつと話し続けた。

「姉さん…さっき階段で言ったこと、たぶん聞き取れなかったと思うけど、責任取れって言ったのは冗談だよ。マジに受...